幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パル便り「2008年1月号(チャイルド)」

インフルエンザの流行が異例の早さで始まったとニュースが伝えています。今年の流行するウイルスの型は A ソ連型 A 香港型、 B 型だそうです。これ等の型が順に11月末から来年3月にかけて長期間流行し続けるので被害が大きくなると見られています。インフルエンザにかかる人の65%が幼児だということで、7年前の流行以降に生まれた人については今回のウイルスに対する免疫がないのが理由だそうです。幸い今回用意された予防接種は受けてから約2週間後から効果が出るそうで、医師は早期に受けることを進めています。とにかく、手洗い、うがいを欠かさないようにしましょう。

 さて、12月5日の朝刊に、 OCED が昨年実施した国際的な学習到達度調査( PISA )の結果を公表した、という記事が出ていました。その記事によると、日本の高校1年生(実施年齢15才)の学力は「読解力」「数学的応用力」「科学的応用力」の3項ともが前回(03年)より順位を落としたとの事です。 PISA

に内容の意図するところは学校で習った知識をどれくらい覚えているかではなく、知識の応用力や論理的に考える力を問う、というものです。前回の PISA 調査の時も結果は前々回より下回り、その時点で文部省は導入間もない「ゆとり教育」の見直し、国語や理科等の授業時間を増やして。総合的な学習を減らすことにしました。その結果が今回のさらに下げた順位です。何か悪くなるたびに、時間数だけにこだわり内容の議論に想い至らない文科省は情けない!の一言につきます。ただ文科省が今後どのように学習指導要領を手直ししてくるかは知りませんが、この頃世の中では「考える力」に少しずつ目が向いているように感じます。まず「おもしろい授業」をしなくてはならないことを提案しています。おもしろくなければ興味がわきません。興味が無ければ考える意欲をかき立てることができません。一方的に教え込むのではなくみんなで議論し合うことで考えを深めていく…そんな授業が期待されています。今回のテストの科学的リテラシーに関する結果分析では、日本は「証拠を用いる」能力では2位だったが、「疑問を認識する」で8位、「現象を説明する」で7位、と自ら課題を設定し、説明する力に弱点があった。とのことです。社説では“自分で問題を設定し、解決方法を考えるという力に弱い。このことは科学の分野に限らないだろう。学力の底上げと応用力。二つの課題を克服するにはどうすればいいのか。中略〜応用力を育てるには公式の当てはめ方などを機械的に教えるのではなく、その論理を子ども達に自ら考えさせる。そんな授業が求められる。”としめくくってありました。これはもちろん高校1年生の問題のみにあらざることは自明の理で、その源は下へ下へと検証の手をのばしていかなければならないのですが、幼児期にはどんな検証が必要でしょうか。「自ら課題を設定し解決方法を考える」能力を持つには幼児の場合やはり一番は遊びに負うところだと考えられます。では、それが充分に足りているのかと云えば、否、中々豊かな遊びのある環境にいるとは言い難い。むしろ小・中学生の悪しき学習方法をすでに導入させてしまう環境もある訳で、一度見についた受け身の学習、学習とは反復練習である、といった概念を植え付けた場合、その後いったいどんな風に成長していくのか余り想像したくはありませんね。大人も同じく、このことに自ら問題を設定し、解決方法を考えねばなしません。

皆様インフルエンザにかからぬよう気を付けて、よいお年をお迎え下さい。