幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パル便り「2008年6月号(チャイルド)」

いつまでも肌寒いと思っていたら、突然の蒸し暑さで体が対応しきれませんね。

子ども達の衣服の調節も難しいところです。急に半袖一枚でいい気温かと思えば夕方は少し肌寒さを感じたりとか・・・。一枚予備の薄物を持っているとよいですね。

 今回は親の思いと、それに対する子どもの反応について書いてみたいと思います。親と子のかかわりは、どの親子も一律というわけではないのは云うまでもありません。それぞれの性格の組み合わせによって異なるわけです。「親の思い」とはお母さん方の子育ての理想であって、皆さんはお子さんに素直に、元気に、利発に育って欲しいと思っていらっしゃいますよね。この願いは昔からずっと一緒だと思いますが、昨今のお母さん方は、やや子どもに「早く」「より良く」育って欲しいと願っているように思います。昔の母親は、家事に忙しかったでしょうし、子どもの教育事情も今のようではありませんでした。物理的にゆとりがあったとは思えませんが、だからこそ子どもに向けられる視線も程々で、それなりに育てていたように思います。子どもに対する期待が高いと、つい子どもがそれに応じない、又は追いついてこない、とイライラしたり悩んだりします。その時子どもはお母さんの姿勢から何を感じ、対応していくのでしょう。

•  自立心の強い子、気の強い子の場合〜お母さんのイライラに反発したり、解っているのに親に云われたことを無視したりして、ますますお母さんをイライラさせてくれます。子どもは親の小言を右から左へ聞き流す習慣を身に付けてしまいます。

•  気の弱い子の場合〜お母さんのイライラは子どもの不安材料になり、親から離れられなくなったり、泣いて自分の気持ちを訴えることが増えたりします。お母さんがイライラし始めると自分の気持ちを閉ざし、口を閉ざしてしまう子もいます。

•  親に「いい子」と思われたい子の場合〜自分の気持ちを封じ込め、お母さんが喜ぶように努力しようとします。そうして気持ちを抑え続けるうちに、自分の存在そのものまで封じ込め、気力を無くしたり、全てに自信を失ったりして、友達関係が作れなくなったり、内向的になったりします。

大雑把に3つに分類しましたが、イライラお母さんの性格も様々なわけですから、もっと多くの組み合わせがあり、子の対応があるはずです。私達は外側からお母さんとお子さんを拝見しているわけですが、たとえば3番目のケースの子どもの場合、造形作品でさえ良いものを作って帰らないと…と考えるのか(明らかにお母さんの顔が浮かんでいそうです)必死に苦労して、ちっとも楽しめないのを見ると痛々しく感じてしまいます。それとは正反対に楽しんでいるのだろうけれど、作品に対する関わり方、思い入れが薄い小度には、普段の生活の中でお母さんに小言は云われても結局は自分の言いなりを受け入れさせ、結果物事に深く取り組むといったプロセスが形成されていないのではないかと想像されることがあります。子どもも感情を持った一人格です。親の想いどおりにはなかなか進んでくれません。さりとて、親の気持ちが子どもに影響し、子どもの生活基盤、心の安定、前向きかどうかを決めてしまうのだとしたら、今私たちは子どもの気持ち(わがまま勝ってな気持ちでなく必死な気持ち)をもっと理解し、より良い対処を考える必要があるのではないでしょうか。親の思い通りを押し付けるのでもなく、小度もの言いなりになるのでもない、子どもとの付き合い方を今一度考えてみようではありませんか。