幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パル便り「2008年12月号(チャイルド)」

急に寒くなってきました.体が寒さに慣れていないので、ことさら寒く感じるような気がします.子ども達を急に厚着にさせるのも感心しませんが、着脱をマメにして調節することを身につけさせることが大切です.厚着のままで暖かい所にいると汗をかいて、その後冷えてかえって風邪を引くことになります.

 今日は日常の授業で行われていることを少しお伝えしたいと思います.私共は良く子どもに「言葉」に関するゲームを仕掛けます.体操の器具の組み替えの合間を利用して、年少には年少なりの、中・長にも成長に見合った内容で問いかけます.子ども達は待っている間ととらえているので緊張が少なく、遊び感覚なところが帰って良いチャンスになっています.年少さんには何も具体物が無くても言葉だけで遊べることを体験させたいと思って仕掛けます.

「丸くて、赤くて、皮を剥くと中は白い果物なあに」と問いかけると、年少さんでもこれくらいの条件で「リンゴ ! 」と云う答えはすぐに返ってきます.

「誰かクイズ出してよ」と云うと、「ハイ ! ハイ ! 」と活発に手が挙がり、次々に子どもが立ってイズを出すのですが、年少さんでは中々整った条件で問題を出すことが出来ません.それでも友達の答えは合っていたり、また何度答えても違っていたり、本人の思い込みだけの問題だったりするのですが、子ども達はその状態を楽しんでいます.年少ではまず楽しさを味わうことで積極性を養うことを目標とします.年中ではルールに馴染むことを感じさせます.

「靴を履きます.帽子は ? 」「被ります ! 」

「手紙を書きます。電話は ? 」「かけます ! 」

でも、少し難しくなると、さすがは年中さん、

「茶わんは食器です.ピアノは ? 」「・・・食器じゃない ! 」

と、こんな具合.それでも周りが見えてきて言葉も巧みになってきたこの年齢の子どもは、このたぐいの質問にとても面白そうに挑みます。先日造形の授業で「しりとりの絵」をしましたが、「どうしてしりとりの言葉は最後に「ん」がついてはいけないの ? 」と問うた所、皆「 ??? 」の顔でしたが、しばらくして

「はじめに「ん」のつく言葉が無いから・・・」と答えた子どもがいました。

そんな風にして年長になると、それまで積んできた実績をふまえて考える・集中する・言葉を正しく使う・難しい説明を粘り強く言い表す、等をさせていきます.ただ、この頃になると別の経路から入った知識が身についている子がいて、、反対言葉の問題を出すと自信たっぷりに大きな声で答えを云うのですが、

学習する幅が決まっているらしく、幅から外れた言葉になると突然黙ってしまうのが悲しい限りです.学習は覚え込みだという考えは、子どもにデータ入力をしているようなもので、入っていないデータには反応ができないということです。反対言葉ではなく、単語の文字を逆さに並べ替えて云うとどうなるか、というのも中々面白いですよ。始めは2文字,3文字の単語で始め、だんだん字数の多い言葉に取り組ませていくのですが、このような思考の処理をどうするかを自身で思考錯誤することで、子ども達は様々なことを考える時のテクニックを修得していくように思います.造形の導入時にもかなり難しい質問をするのですが、子ども達の頭の中がクルクルと回転しているのが面白いほどよく分かって、頭を使うとはこういうことだ、とつくづく思わされます.