幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パル便り5月号(リトル)

暖かい日と、ひどく寒い日が隣り合って訪れるという、不順な天候が続いています。ゴールデンウィークまでには安定した気候になって欲しいものですね。毎朝衣服の用意に、気遣いが必要です。
 初日から早くも3週間が過ぎました。まだお母さんと離れるのが「切ない」と感じるお子さんもいるようですが、中身の活動自体はみんな楽しめるようになってきているようです。


 このスペースでは折りに触れ、子育てについての考え方を提案していきます。
今回は、岩波書店「子どもが育つ条件」柏木恵子著から、文章を抜粋してお届けします。
—引きこもりや不登校などの現象は、思春期になって初めて起こることではありません。その温床が、幼少期からの「育ち」にもあります。中略
 公園の砂場で遊ぶ子どもたちの周りを、母親たちがぐるりと囲むようにしている風景をよく見かけます。幼い子どもには親が友達遊びの機会を作り、友達とのやり取りを見守る典型的な風景です。けれども、これが子ども自身の他者への関心や交渉能力の育ちを削いでしまっています。こうした場面を見ていると、母親はちょっとしたことですぐに手を出すなどして遊びを誘導し、もう少し子どものすることに任せておけば良いのに、と思う場合が少なくありません。


親の介入が早すぎたり、遅すぎたりする傾向があるのです。子どもは乳児の時から、他の子どもに対してなみなみならない好奇心をもっており、他の子どもと交渉する力を持っています。また、大人よりも自分と同じような子どもの方に特に関心が強く、子ども同士の交流を求めています。その交流の中で、他者とどう付き合うかー押し方も引き方も身につけます。子どもの養育を任された母親は責任感いっぱい子どもを守り、“良い”経験や環境を与えようとします。その結果、子どもを守ることが優先され、子どもが本来持っている、他者への関心や、他者との関わる力を発揮させ発達させる機会を奪ってしまっています。他との交渉を避けて内に引きこもってしまう「さなぎ」の状態は、幼児期の母親の囲い込み的な見守りと無関係ではありません。他者との関わる力が育っていないことの結果の一つだからです。


オリエンテーションでのお願いで、子ども同士の小競り合いについてお話するのを忘れたような気がします。まさしく上記の文章の中身に等しいのですが、奪い合いも「押し方・引き方」を経験していかなければ解消しません。そんな時にたまたま引っ掻いたり、噛み付いたりということがあるやも知れませんが、一足飛びに被害者気分にならないでください。極力お子さんの体が傷つくことを避ける努力は致しますが、すぐに治る傷でも我が子が恐怖を感じたのではと心配なさるお母さんも中にはおいでのようです。


 連休明けには、植物園へ遠足に行きます。お母さんもご一緒です。楽しみにしていてください。楽しい連休をお過ごし下さい。