幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り


はるパル便り(チャイルド)

 寒かった冬もそろそろおしまい、待望の春はもうそこまでやって来ている筈。でもまだ寒の戻りがあると、今朝の天気予報は告げていました。油断大敵ですね。

 毎年3月になると、別れがやってきます。年長さんともこの春でお別れですね。みんな晴れて一年生になります。おめでとう! 昨年4月、年長になりたての頃はまだまだ幼かった君たちが、今ではすっかり幼児の顔から脱して自信に満ちた顔になりました。どうぞ真っ直ぐに何時も希望を持って成長していって下さい。

 お母様方へのお願いです。子ども達は期待に胸を膨らませて、入学の日を待ちわびている事でしょう。ここからどのような計画で小学校生活を歩ませよう思っていらっしゃいますか?
大方の人は ”さあ、仕切り直しで着々とお勉強を進めていこう”と考えがちです。勉強の先取りをしておかないと心配、更にはその先の目標に向けて手綱は緩められない、そんな風に思われるのではないでしょうか。ただそれは必ず「見える学力」に特化した備えでしょう。
生きる力を育むには「見える学力」と「見えない学力」の双方が必要です。「見えない学力」は数値であらわれない学力なので、皆さん「見える学力」を偏重しがちですが、バランスよく成長していくには両方が機能しないと本当の力を得る事は出来ません。思考力、判断力表現力などの「見えない学力」こそ、子ども達の生きる力につながります。実際には実体験を通して学ぶということ、学んだことを活用すること、そして実践することが大切なのです。

一年生になって、幼稚園の時とがらっと生活が変わるこの時期、子ども達が自らこの時期を克服していくのをじっと見守る忍耐を、是非お母様方にお願いしたいと思います。子ども自らが新しい情報にどのように反応し、どう処理していくのか。失敗も当然あるでしょう。でも失敗の経験こそが子どもの力になる事を忘れないで下さい。そして子ども達が環境に慣れようと必死に頑張っている時に、「見える学力」の強制を過度にしないようにしましょう。

<新年中・新年長のお母様方へ>
 パルのカリキュラムを通して、子ども達はどのように伸び、変化していくのでしょう。
体操も造形もどんどん上手になっていきますが、私たちはそうした表面的な技術の訓練だけ をしているつもりはありません。むしろ子ども達にカリキュラムを通して自主性を身につけ、深く思考したり、粘り強さを磨いたり、自分自身を誇らかに人前に押し出す力をつけていきたいのです。何かが「出来る」ばかりを気にして子どもに無理をさせる、その危険性こそを考えなくてはなりません。出来た結果よりも、それに取り組んでいる時の子どもの心の成長を汲み取る事が大切です。受験がらみの「行儀」であるとか「我慢」であるとかに重きが置かれた体操等をしたとすれば、子どもは伸びるよりもストレスで心が潰されていきます。

私たちは子ども達一人一人が心身ともに健全で才能豊かな人になってもらいたいと思って 努力しています。お母様方も同じ視点で関わって頂ければ、より大きな効果が得られると 思います。心豊かな子ども達を育てたい・・・それが私たちの願いです。

 

パル便り3月号(チャイルド)

 季節は着実に春に向けて進んでいるのでしょう。三寒四温を繰り返すことで春にたどり着くと言いますが、このところまさしくそんな状態です。でもその落差が結構身にこたえます。まだまだインフルエンザもウィルス性胃腸炎も下火になったとは云えません。花粉の飛散も始まった様です。快適に過ごせる様、予防策を考えましょう。
 2月15日には、たくさんの方にお越し頂き、無事に作品展を行うことが出来ました。ありがとうございました。作品展示については一人1点の展示でしたが、夫々一番気持ちのこもった作品を選んだつもりです。年少、年中さんには特に、この先の道筋を見て頂けたかと思います。年長になればあれくらいは描けるようになるという事が分かって頂ければ、今の活動を冷静に受け止めて頂けるのではないかと思います。

 年中の造形で「粘土の器」の授業をしました。日本の家庭のテーブルと欧米のそれとを比べると、日本の方が格段に器の種類が多いと思います。料理に合わせて、夫々の器があります。ご飯を盛るのはお茶碗。みそ汁はお椀。焼き魚には長四角のお皿が、煮物には小鉢が、麺類にはどんぶりが・・授業は見学日だったのでお母様方にアンケートを書いて頂きましたが、多くのお母様が、そろそろ子供用の食器から普通の食器に移すべきかしら、と思われたようでした。日頃生活の中で味わうことが多い程、生活力は付いていきます。そして、ただ単に物の名称を覚えるのではなく、どうして夫々の料理には夫々の器を使うのか、その理由を考える事で物の道理を理解していきます。導入のやり取りの後、土粘土で実際に器を作ってもらいました。今回は作り方を示しません。平らなお皿はどのようにして作ればいいか、お茶碗は? お湯飲みは? どのような方法でもいいから考えてやってみよう、というのがねらいです。どの子どもも同じ条件です。陶芸の経験等持っていないでしょう。正解はなく、とにかく目の前にある器の形を再現するにはどうしたらいいか考える、それが課題です。

粘土は柔らかく、可変性に富んでいるので、年中の子どもにもなんとか形を作り出す事は可能です。問題は、考える以前に気持ちが着いていくかどうかです。実際には、すぐに立ち向かう子もいましたし、1つ目、2つ目位までは苦戦していた子もいました。けれど回を重ねるうちに、どんどん積極的に取り組み始める姿を見ることが出来、子どもの試行錯誤には見守る姿勢が大切、と改めて思いました。作った物より、過程の思索に価値があるのです。

授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください。