幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パル便り1月号(リトル

 今年は去年の今頃と比較して、ノロウィルスの感染率が約3倍と、大流行の兆しを見せているそうです。東京では一医療機関の患者数が26人と、警戒レベルを超えているのだそうです。子どもの手洗いは勿論のこと、お母さんも食事の準備時には念入りな手洗いをお願いします。もし家庭で誰かがノロによる嘔吐をしてしまったら・・・ノロのウィルスは始末を間違えると長期間空気中に漂い、人が吸い込むことで感染していきます。通常の吐瀉物処理ではウィルスを広げるばかりです。処理する人は手袋とマスクが必要です。吐瀉物を新聞紙等で速やかにすくい、そのままポリ袋に入れます。その後雑巾でごしごし拭くのではなく、希釈した塩素系の漂白剤を吹き付けてから処理します。実は柿渋のタンニンが最も良く効くようで、ホームセンター等で業務用の柿渋(無臭の物)を手に入れたら、アルコールで10分の1に希釈して使うのが良いそうです。

 近頃私はつくづく、子どもの教育は生まれた時から既に始まり、途切れること無く連綿と続いていくものだと思い返しています。ここで言う「教育」とは「知育」に限ったことを指しているのではありません。単純に「言葉」を取り上げてみても、しゃべり始めが学習の出発点ではありません。喃語の時期から赤ちゃんはお母さんの言葉を受け止めて既に学習を始めています。勿論言葉の意味だけでなく、言葉に含まれる相手の感情をも察知する力を育んでいるでしょう。この「感情」を適切にキャッチさせ、それを適正な対応につなげさせるようにするのが「躾」です。しゃべったら次は「読む」で、次は「書く」、といった学習だけでは、全体としての子どもの(人間としての)能力にはなり得ません。

 今年のチャイルドのクリスマス会では、「サンタが行方不明!」という設定のお話に沿ってサーキットをしたりゲームをしたりして遊びました。サンタが姿を消した原因を推測する写真(絵)をもとに、グループで話し合ってサンタの気持ちを解明しようというゲームをしたのですが、なかなかに難しい課題だったようです。既に私立小学校の受験を終えた年長さんでさえハードルは高く、うまく言葉に言い表せないようでした。ここには受験の落とし穴があるように思います。子どもと本を読む時、リトルのお母さん方の中にも何となく先を見越した対応を取ってしまっている方もいらっしゃるのではないですか? 読み終わってから、誰が出てきたとか、何が起きたとか、ストーリーの構成の記憶をチェックしたくなる方はいませんか? 確かに「お話の記憶」という受験課題はあります。しかしそこにばかり特化した本読みになってしまっては、こどもを本嫌いにさせるようなものです。しかもそもそも本の活用は、記憶のためでないことは自明の理で、豊かな感性を育み、人を思いやる気持ちを育てるためにある筈です。本を通してコミュニケーションの力を育てるのです。上辺の学習にばかり気を取られると、人生にとって大切なものを育て損なう危険があることを心に留めておいて下されば幸いです。
 どうぞ良いお年をお迎え下さい。

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