幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パルだより4月号
 足踏みしていた気候が急に進んで、桜もあっという間に咲きそろい、既に
葉桜になってしまいました。4月はここからずっと暖かい日が続くそうです。
暖かな日差しの中、それぞれ新しい一年の始まりです。

 パルのクラスは、4月5日から新学期がスタートします。幼稚園新入園の
年少さんを新しい顔ぶれに迎えて、新年中、新年長に各々進級したお友だちと一緒に、又楽しく活動していきたいと思います。”三つ子の魂百まで”と言われますが、この時期を充実して過ごすことが先々の生き方に大きく影響します。既成の知識の詰め込みに終始するのではなく、「自ら考えて行動するのが基本」という日常を作り出すことが、未来への大きな基礎となります。

 人工知能(AI)が、人の働き方を変える日が刻々と近づいていると言われていますが、そのような社会の変化に教育はどのように対応していけば良いのでしょう。知識の量を糧にした仕事は、人工知能を超えることが出来ないのは理解可能です。膨大なデータを瞬時に集めて、そこから最適解を導きだす早さは、コンピューターにはかないません。しかし、人工知能の能力の限界も又知っておく必要があります。人工知能は神にはなり得ないし、人類を滅ぼすことも無い、と国立情報学研究所教授 新井紀子氏はおっしゃっています。しかし同時に、現在教育を受けている子ども達の読解能力が人工知能の能力を下回る、という現状を危惧してもいます。人工知能が超えられない壁は確かにあるのだけれど、その限定された能力を人が上回れなかったとしたら、仕事は人工知能に奪われてしまうのだと。2016年より新井氏らが行った中高生への調査「リーディングスキルテスト」の結果は、惨憺たる物だったそうです。かと言って、読解力に関するAIの能力を伸ばす試みは現在も大手企業がしのぎを削っていますが、未だ日常会話の域を出ていません。AIは、人間のように言葉の意味を理解するのではなく、膨大なデータから統計と確率の手法を使って解答を導きだしているのです。ですから、応用が利かない、柔軟性が無い、決められた枠組みの中でしか計算処理が出来ないといった弱点があります。だとすれば、私達は一を聞いて十を知る能力や応用力、柔軟性、枠組みにとらわれない発想力を備えれば、AIに勝ることになるのでしょう。読解力を基礎とするコミュニケーション能力や理解力を身につける必要があるのです。ではどの時点で中高生はその能力を手放して来たのでしょう。それには、幼児期より連綿と続く受験準備の方法も片棒を担いでいるのでは、という想像がわき上がって来ます。AIに勝負を挑んで、膨大なデータを取り込もうとしても詮無いこと。この先を生きていく子ども達に必要なのは、AIに代替されない能力です。どうしたら、子どもがこうした能力を持つことへの刺激となる活動が出来るか。そして、子どもがこれを嫌々でなく、好奇心を持って取り組めるよう、私達は努力をしていくつもりです。

授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください。