幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより11月号

 台風19号は、広い範囲に大きな被害をもたらしました。特に大雨による川の氾濫。今年の合宿のイベントテーマが、山を手入れしないと川の氾濫や土石流が起こるのだが、どうすれば良いかを考えるというものでした。山梨の宿舎の傍を流れている川は、本谷川というのですが、普段は東北の奥入瀬を彷彿とさせる程きれいな川です。ただ、川から山に目を転じると、あちこち大きな木の根がむき出しになっていて、大雨が後少し山肌を削れば大木ごと川に落ちてきそうです。近年日本では、林業も農業も衰退し続けています。木材、農作物は輸入に頼るようになり、山は一定の伐採等の手入れが怠りがちになり、農業は耕作放棄地がどんどん増えている状況です。人々が生きていく為に國土を耕し山の木々を育てていた時代より、確実に”國土と自然”への想いが薄くなっているのでしょう。地球の温暖化も台風被害も、受ける側として不満を口にするだけでなく、私達の暮らし方にも目を向け、自らが善後策を考えなくてはならないのでは、そんなことを思いました。

 土曜日から年中の見学日が始まりました。造形は”ビー玉落とし”というカリキュラムを行いました。高さ5センチ、16センチ四方の箱を3つ柱でつないで重ね、箱の中央にビー玉大の穴を開けて、上からビー玉を落として遊ぶ、というおもちゃ作りです。既製品はビニールで出来ていて、筒状の形をしています。内部に仕切りを2つ付け、空間を3部屋にして上から鈴を落としていくと云うもので、上下は閉じています。これを箱を代用にして作ろうという訳です。箱はすでに ”ティッシュの箱から” という6月に行った授業で体験済みです。
まず遊び方をみんなで考えます。一人でこそこそビー玉を落として遊んでも、それほど面白くないよね。じゃあどうしたらもっと楽しくなる? から始まり、ビー玉の通る穴の大きさはどのくらいが適当か、箱と箱はどのようにつなげれば良いか等々、みんなで考えていきます。質問に思わず知らず答えている子、
解っているけれど静かに成り行きを見守っている子、頭の中にイメージが作れていない子、様々です。

「うちの子は中々発言が出来なくて困る」とおっしゃる方がよくおいでですが、恥ずかしいから云わないのか、自信が無いことが引っかかっているのかよく分析してみないと、闇雲に「何でも発言しなさい」とは云えないと思います。まだ幼児ですから、理路整然と説明する力が無いのは当然ですが、たくさん経験するうちに少しずつ滑らかに話すことが出来るようになります。
では、それは何処で行われるのでしょうか。たくさん練習をするという事を考えると、それは家庭で行われる事に期待します。たくさんの「何故」「どうする」を日頃話し合う機会を持って下さい。彼等も一生活者として、身近にある問題を一緒に考えるようにしましょう。合宿のイベントでの話し合いには、当然今年も年中さんが参加していたのですから。


授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください。