幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パル便り「2010年3月号(チャイルド)」

 寒い日が続いています。この所雪も良く降り、何時になったら春の兆しが見えるのだろうと待ち遠しい気持ちですが、今週当たり少し暖かくなるとか・・少しホットしたい気分ですね。流行性の風邪も、今だ様々に形を変えて現れてくるので、油断がなりません。去年から今年にかけてずっと緊張させられていて、そろそろ緊張の糸も切れかけているのが正直な所ですが、冷静に予防を続けなければなりませんね。
 パルは土曜日にワークショップのクラスがあります。小学生の造形クラスで、ほとんどの生徒がチャイルドから上がってきた子ども達です。その子ども達の様子に様々なことを感じます。余り確信的な言い方をするのは危険だと知りつつの発言ですが、あえて述べてみたいと思います。子ども達の学校別の人数の比率は公立私立半々くらいで、2年生から6年生まで40人の子ども達がいます。そんな状況の中で、私立学校の子ども達の取り組みに気にかかる面が多々見られるのです。造形の要素には様々な面があって、(常々私はこの科目には全ての学習の総合した力が必要だと主張しているのですが、) 私立の学校に行っている子ども達の学習が足りないはずは無いのに、何故か学習を展開していく力が希薄です。何故こんな状況になるのでしょう。特に低学年の子ども達には、小学校受験の弊害が影を落としているように思われます。受験準備の学習に余りに形骸化したものを叩き込まれたのではないか、と想像させられます。やはり机上の学習になってしまっている。学習塾は具体物を使ってとか、実際にからだを動かして学ぶことをさせていると説明しますが、それでもやはりその方法は「机上」なのです。受け身で学習させられている弱さで、自ら理解しようとする気持ちが鍛えられていない。こうした力を育むのはやはり子どもに好奇心を任せて、それを熟成させる時間を与えることが必要なのです。造形活動には着手から完成までを一つの流れとして段取らなければなりません。途切れ途切れの知識では繋がらないのです。そこが弱い。気になるのは、子どもの心情です。上手くいかないとやみくもに作業して、結果どうなっても後は気持ちに蓋をしてしまう。そうすることで、きっととても不安に感じていると思います。どこかでは高いプライドも持っているはずで、それなのに時々フリーズしてしまう。子どもの心情や如何に、です。こんな様子が中学年程になると、状況を読んで周りから学び取る(まねをしてやり過ごす)か、希薄なまま完成と言い張ることにする、といった手段を取ります。中々学習を自分の主体性を持って実行するに至らないようです。勿論私達はこのような心情を持った子をフォローし、何とか思考が繋がるように努力をします。最も高学年まで続ける造形好きの子には、これは当たりません。何故なら、好きなことに没頭出来る能力を持ち合わせているからです。子どもがどんな気持ちを持ちながら育つか、それを想像しながら育児することは、とても大切です。子どもを人として尊重することですから。