幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パル便り「2010年 5月号(チャイルド)」

 気候が不順です。初夏の様な気温だった次の日は、真冬に逆戻り。17日土曜日には、雪まで降りました。衣服の調節を間違えるとすぐに風邪をひきそうです。お子さんの体調管理も難しいと思いますが、気をつけてあげてください。
 寒くてもパルでは子ども達がパワー全開で、汗をかきながら過ごしています。4月の授業も総てのクラスで3回までが済みました。この間に子ども達を観て感じたこと、休みの期間は子どもを成長させます。ひとつ前のクラスにいた時に出来なかったことが出来るようになっている子が目立ちます。跳び箱が跳べたといった具体的なことよりも、心理的な成長が顕著です。1つ上のクラスになったという自負がそうさせるのでしょうか。子どものこうした自然な成長は本当に喜ばしく感じます。
しかし、ある意図を持った大人に強引に能力を引き上げられた時、子どもは意識を伴わず苦しい思いをします。知識と知性の言葉の意味を辞書で引いてみると、

  • 知識・・感覚を通して対象を認識し、体験すること。知性によって知られる対象事物を認識し理解すること。
  • 知性・・事物を認識し、判断する能力。抽象化・概念化などの知的能力、感情、意志に対していう。

と、定義されています。単に目の前のことを鵜呑みにして覚えたものを知識とは呼びません。そして、鵜呑みで物事を覚えるようにとつくられていった子は、将来に渡り「考える」という行為を苦手として生きていきます。私どもは、子育てが大変難しくなってしまった社会にいて、それでも尚活き活きと自発的に物事を学び取っていく子どもを育てたいと願って、沢山の子ども達と関わってきました。よりよく伸びよ、と誠意を持って伝える大人によって豊かな体験・刺激を子どもたちに与えたい、そして考える力を持った子に育って欲しい、これが四半世紀(パルは今年で25周年です。)続いたパルの目指すところです。その姿勢に賛同して下さった多くの方々がいらっしゃって、今教室葉続いています。
 小学校を前にした時点で進路の舵をどの方向に向けるか、ほとんどのご家庭が迷われることでしょう。昨今のニュースで、少し私立小学校の内情があからさまに見えた部分があります。
公立とそれ以外の学校との間に格差に、あまり幻想を抱くのは甲斐のないことなのかもしれません。まあ内情はともかくとして、私立学校も入試の出題傾向を以前よりも随分変えてきました。かつては鵜呑みの知識で事足りていた入試、でもそんな出題の仕方で合否を決めたのでは危ぶまれるとの反省から、今は子どもたちがいかにより良く育ってきたかを観る行動観察型の内容へと変化させてきました。かつてのペーパー重視の受験に取り組むのであれば、塾で繰り返し訓練を受ければ良かったでしょうが、行動観察型では塾で型にはめた練習をすること自体がデメリットに繋がりかねません。そして「より良く育ってきたか」を観られるのですから、やはり家庭生活をおろそかにはできません。塾から出された宿題で本来の家庭生活もままならないような状態になってしまうのは、子どもにとって一番幼児期を無駄にさせる取り組みといえるでしょう。子どもにとって行き過ぎた取り組みにかたよらないよう、注意したいものです。