幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パル便り「2011年度 9月号(チャイルド)」

  節電の夏となりました。しかも余りに暑い猛暑。もう絶えられないと思ったら、すーっと涼しい日が何日か続き、一息つけました。でも又暑さが戻って来て・・・いつまで続くのでしょうね。早く秋を感じたい!! と、思いませんか?
 小学校受験の訓練に「指示行動」と云う項目がありますよね。受験目的でパルに問い合せをしてくる人の中に、「お宅は指示行動というのをやってくれますか?」とおっしゃる方がよくいます。「指示行動」とはどうやら何か独立した技のようです。冷静に考えれば、ただ相手が指示したことをその通りに遂行することとなるわけですが、当然そうした内容は体操指導にはつきものです。指示されたことがらを理解し、それを行動に移行させると云うのは、大雑把に云えばほぼ全ての動作を学ぶことに云えますが、いわゆる「指示行動」と云われる内容についても、目的は受験でなくとも取り入れています。いくつかの行動を組み合わせて動くことができるかをチェックすることは、体操を通して出来る「俊敏な認知と実行」としてそこかしこに加えています。「理解と実行」と云う点では、造形も云うに及ばずです。
 しかし、いわゆる「指示行動」をさせた時、子ども達はどんな様子かと云うと、これは全体的発達度と積極的意志を持つかにかかってくるようで、受験準備の「指示行動」をしたことがあるであろう子どもが必ずしも出来るわけではないようです。まず指示されたことを理解する力と、その内容の全体像をイメージすることが出来るかが問われますが、「指示行動の時間」というのを設けてその為だけに次々に指示を与え、出来るまで何度も繰り返すなどのやり方をするのが受験「指示行動」だとしたら、これはナンセンスです。イメージという点についても、出来る出来ないは月齢差などが作用しているようです。例えば8の字を描く一連の動きを指示すると、一度でとらえる子は僅かで、全く捉えられない子もいます。シチュエーションを変えて試してもやはり同じ様な結果が出るところを見ると、8の字を空間把握するには年令、月齢が作用していそうです。2才児に片足ケンケンを求めるのは無理であることを認めることと同じようなものです。こうした試みは集団の中では緩やかに行われるべきで、それは勿論月齢差等があるからですが、これを個人について考えると、未だ達していない能力を無理に要求すると、子どもの中には余計な混乱が起き、萎縮に繋がりかねません。萎縮が起きると子どもの内の回路は閉じてしまいますから、訓練は無意味な時間の消費になってしまいます。日常生活の中で学ぶことが、一番の必然でしょうし、せめて前向きに取り組める環境の中で学びたいものです。