幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パル便り11月号(チャイルド)

 今年の秋は順当に深まっているように感じます。ずーっと暑くて、がくんと気温が下がると云うのは体に堪えますが、少しずつ涼しくなるのは心地よいものです。気候は順当なのですが、流行の病気の方はせっかちに迫ってきていて心配です。インフルエンザ、ノロウィルス、マイコプラズマ肺炎、RSウィルス、これらの名前を最近たくさん耳にします。気をつけて下さい。

 毎回見学日に書いて頂いている「アンケート」に目を通していると、お母さま方の書いて下さる内容に嬉しくなったり悲しくなったり様々な想いが去来します。授業の要点を理解して下さり、子どもへの刺激を喜んで下さる文章に接するとやりがいを感じます。しかし時折お子さんの授業への反応にいらだちを覚えるご感想を目にすると、反省したり悲しくなったり・・・お子さんの集中力や根気がない、更には取り掛かるスピードが遅い、作業が遅い、質問が出来ない等をよく見かけます。そしてここに書いただけで鬱憤を晴らしてもらいたいと思いつつ、まさか子どもが叱責を受けているのではと思うと悲しくなるわけです。

 脳に関する研究は急速に進んできました。脳は学習によって知識情報処理と価値判断の神経回路を自己組織します。それによって価値基準の記憶を形成します。五感を通して獲得された外部からの情報は、脳の価値基準に照らして処理され、言語として表出されます。その表出に対する周囲の反応等によって更に脳の知識と価値基準が修正されるのです。人間の脳は経験によって学習します。そのことは子どもの成長にとって「経験」が極めて重要だということを示しています。人は経験しないことには、脳に神経回路を持つことが出来ないのです。親は自分の脳に作られている判断基準を子育てに当てています。

子ども時代に苦労した経験は、親心から子どもに苦労を避けさせたいという願いに傾くと、子どもの経験を狭める結果となります。何々が出来ない、と子どもに感じるのは、大人が既に培っている価値基準に基づいた感じ方です。それをそのまま子どもに要求するのは意味がありません。子どもは大人と同じ価値基準を持つに至っていません。

子どもの「出来ない」ことに目を向けるより、「こんなことが出来るようになった」と考えることで、子どもに対する見方が穏やかになり、子どもは認められることで自信を持つことが出来るようになります。どんなに緊急な事態でも(受験など) 、今出来ないことを出来るようになれと子どもに強制しても、すぐには修正できず、子どもの劣等感や心の傷に繋がり、良いことはありません。

 授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください。