幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パル便り11月号(リトル・チャイルド)

ポツンと一日夏日が挟まって、でも確実に秋の気候になってきました。というよりむしろ急激に気温が下がりつつあります。温度差が激しくて、体調を崩す人が増えているようです。昼間半袖で出掛けても、夕方からは上着が必要になったりします。でも子供は自分で調節できませんから、お母さんのこまめな気遣いが必要です。

 子供の成長、特に精神的な成長についてひとこと。子供は様々な体験を通して成長していきます。この「体験」というのが、皆さんに正しく理解されているでしょうか。動物園に行きました、ディズニーランドにいきました、海外にも行きました、と云う「体験」は分かりやすいですけれど表面的な事柄です。

私が今ここでお話したいのは、心の葛藤を十分味わってその結果を子供が学び取る体験のことです。子供の直面している状況を素早く判断して、大人の常識に照らして、子供がアクションを起こす前に止めてしまうお母さんをよくお見かけします。つまり心理的葛藤の体験を奪っているかもしれないのですが、皆さんには心当たりがありませんか。幼児の時期を過ぎてもまだ、常識的な振る舞いが出来ない子供は困り者ですが、そこに至るまでが学習の期間で、ここで様々な体験を通して社会性を身につけることで常識的に振る舞える人になって行くのです。順番を抜かした、前の人を押した、ものの取り合いをした、etc・・・・・
と、すぐにお母さんから叱責が飛ぶどころか、そうなる前にストップがかかる場面を目にすることがあります。転ばぬ先の杖と思われるのでしょうが、このようにことが起こるまえからストップをかけられる子には、往々にして主体性の無さが目立ちます。自分の衝動を止められるときだけでなく、些細な行動を起こす際にも親の目や大人の目を意識して、一歩が踏み出せない。人は正負両方の感情を持ち合わせています。その両方の気持ちを葛藤させる中で、少しずつ負の気持ちをなだめられるようになるのです。それは長く見積もれば、思春期を過ぎる頃までかかるのではないでしょうか。ですから当然幼児のうちに負の衝動が抑えられる筈も無く、だからこそ「体験」してみて結果を味わってみて分かって行くのだと思います。「いい子」を育てているつもりで、他律的な指示待ちっ子が育ってしまってはつまらない。もう少し子供の裸の感情、衝動を観察してみてください。そして子どもに、他人との間で嫌な気分を味わうという機会を持たせて下さい。「体験」は、文字通り自分で体ごとぶつかって手に入れるべきものです。

授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください。