幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより4月号  リトル/チャイルド

 新型コロナウィルスの感染拡大が止まりません。毎日固唾を呑んで「今日の感染者数」を チェックし、今日はまだ感染爆発には至っていない? と安堵していいのやら、ぬか喜びではないのか、悩ましい日々が続いています。アメリカや欧州のような事態に至らないよういのるばかりです。私たちがまずしなければならない子供達への対応は、勿論彼らに感染させ ないことですが、非日常が続く中での子供のストレスにも注意しなければなりません。何もかもが滞ってしまう時間がいつまで続くのでしょう。細心の注意を払いながら、熟慮して日々の生活を活性化させることを考えていかなければなりません。

 今回の騒ぎの中で、国や自治体がどのように事を進めているのか、その判断の根拠に失望 したり、又強く頷いたりします。こんな状況下だからこそ、前例を持ち出したり、どこかに忖度したりすることは無用なのですが、さてこの国の教育は、国民に「正しく思考する」事を育んできたでしょうか。正しく思考する大人になるために、就学前の子供たちに必要なことは何でしょう。
 豊かな人間関係を育み、何にでも好奇心を持ってイキイキと生きる、という土台を作る事が何より大切なはずです。自分の頭で考え、適切な選択の出来る人にするためにはどのように子供を育むべきか、この一年を通して考えていきましょう。
 今回は外山滋比古先生の「思考の整理学」と言う本の中から、一節をご紹介します。


人間には、グライダー能力と飛行機能力とがある。受動的に知識を得るのが前者、自分で物事を発明、発見するのが後者である。両者はひとりの人間の中に同居している。グライダー能力を全く欠いていては、基本的知識すら習得できない。何も知らないで独力で飛ぼうとすれば、どんな事故になるか分からない。しかし現実にはグライダー能力が圧倒的で、飛行機能力はまるで無し、と言う”優秀な”人間がたくさんいることも確かで、しかもそういう人も”翔べる”と評価を受けているのである。学校はグライダー人間を作るには適しているが、飛行機人間を育てる努力はほんの少ししかしていない。学校教育が整備されてきたということは、ますますグライダー人間を増やす結果になった。お互いに似たようなグライ ダー人間になると、グライダーの欠点を忘れてしまう。知的、知的と言っていれば、翔んでいるように錯覚する。


もし、今こんな人達に日本の行く末を託しているのだとしたら、薄寒い気持ちになりはし ませんか?学校という集団に取り込まれる前から、グライダー人間を造るようなやり方を幼児に仕掛けることは、賢明とは言えません。幼児を持つ親を惑わせている正体は何なのでしょうか。情報過多? 環境の悪化?成果主義という怪物?・・・一度立ち止まって何にまわされているのか、真剣に考えてみてください。あなたの幸せの感覚は、将来のお子さんの幸せ感と果たしてマッチするでしょうか。良かれと思って子供に仕向けた事が、実は子供の精神を圧迫しているとしたら、それは必ずや子供の将来に影響する事だと、受け止めて欲しいと思います。


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