幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより12月号 リトル/チャイルド

 季節は少しずつ冬に向けて進んでいます。「今日は20度前後の小春日和」と報じられた翌日に
は、「今日は師走並みの寒さです」と言われ、朝何を着て出かければいいのか迷うこともしばし
ばです。去年一昨年とほぼゼロに近かったインフルエンザの流行が、今年はじわりと増えつつある
と聞きます。コロナ・インフルエンザダブルの襲来にならないことを祈ります。
 この時期、健康に一層気をつけて生活しなければならないのが受験期の年長児。私立小学校は
そろそろ結果が出揃ったと思いますが、国立の付属校はここからが本番です。毎年多くのご家庭
が受験を選択なさいますが、その理由はどこにあるのでしょうか。少しでも質の高い教育を我が
子に、という気持ちは理解できます。しかしこの「質の高い教育」というのはどんな内容の教育
を指しているのでしょう。今ほど社会が目まぐるしく変わる時代は経験がありません。今までは
たくさんの人が、企業に属して働く、いわば一律の働き方によって成長してきました。そのため受
動的に組織の価値を高められる人材が求められてきました。しかしIT技術やロボットの開発によっ
てこれまで人が行っていた仕事をAIやロボットでも行えるようになったことにより、働き方にも
多様性が生じ、社会で求められる人材も大きく変化しているのです。これからの子どもたちに必要
になるのはどのような能力でしょう。今までの教育は「知識重視」の教育でした。それが「知識
を疑う型」に変わったのは、わずか20年ほど前からです。インターネットが出てきて、「知識を
覚えること」の価値が下がり、「知識を疑うこと」が重要な時代になったのです。では、今の時
代に教育では何が必要とされているのでしょうか。教育はかつての「3R(読み・書き・算盤)」の能
力を求める時代から「4C」の能力を求める時代に移行したと言われます。Communication、
Critical thinking、Collaboration、Creativityの頭文字4つをとっての「4C」です。人と意思疎通
ができるスキル、発生した問題に対して自分の力で分析・解決できるスキル、人と協働できるスキ
ル、創造を発揮できるスキルと定義されます。誰でも情報にアクセスできるインターネットの時代
は、情報を知っているだけでは役に立ちません。むしろ溢れる情報を吟味し、組み合わせ、「こ
れは本当だろうか」と疑う力や、他人と協力する力、創造力などが必要なのです。
 では、このような視点をもって行われる教育はどこで受けられるのでしょうか。既に日本でも
国や自治体により、4C教育を積極的に取り入れようとしてはいます。日本で先進的な教育を行っ
ている自治体として有名なのはつくば市です。国も4C教育の研究を進めていて、愛知大学が中心
となって山梨県中央市や広島県呉市の一部の小学校で4C教育の実地研究を進めているそうです。
ただ、挙げられる例はたくさんは無く、公的機関では上記のような情報しか見当たりません。
たくさんの人が選択する私立小学校では、4C教育についてどう考えているのでしょう。サンプル
としてある私立有名校のホームページを覗いてみました。それによると2024年が創立年の区切り
にあたっているようで、その年を目処に新しい教育内容に移行していく所存であると書かれていま
した。まだまだ新しい教育へと舵を切る学校は少ないのでしょうか。これまでの業績や評判だけ
で学校選びをするのではなく、教育の内容を精査する姿勢を持つことが大切だと思います。
                                       高崎

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