幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより5月号 リトル/チャイルド

  桜の時期も終わって、最近は初夏を思わせる日もあります。活動しやすい季節になりました。
子ども達にたくさん体を動かしてほしいと思います。
 4月のパルだよりに、今の子ども達の学びに必要なのは「認知能力と非認知能力の合わさった
力」だと書きました。実際に就学前の子ども達には何を用意してあげれば良いでしょう。皆さん
「アクティブラーニング」という言葉をご存知かと思いますが、これは「主体的、対話的で深い
学習」とも呼ばれる学習スタイルで、学習者が能動的に学習に取り組む学習法です。2020年度に
発布された学習指導要領にはアクティブラーニングの導入が明記されています。なぜ今アクティブ
ラーニングなのでしょう。その背景には社会のグローバル化や、IT産業の躍進など社会環境の変
化が大きく関係しています。変化は激しく、知識もすぐに陳腐化します。単純に知識を増やすだけ
でなく、自ら学ぶ力を身につけること、時代の変化に対応できる能力が必要になるのです。
 今までの学習は「認知能力」に偏っていた訳で、それに「非認知能力」を加えなくてはならず、
それにはアクティブラーニングという学習法が必要だという訳です。暗記能力ではなく、多様な能
力が必要です。多様な能力とは、思考力、判断力、表現力、主体性、多様性、協働性などなので
すが、これらの能力を高めるのに最も適している時期は、幼児期から学童期にかけての子ども達
だというのです。新しいことに挑戦する力や、そこから多くのことを吸収する力が高いのがこの時
期なのです。子どもの非認知能力を育むには、様々な「遊び」を取り入れることが適しています。
大切なのは、遊びの中で子どもが「自分で考える力」を発揮できるように意識することです。空
き箱やプラカップ、竹籤やモール、色々な種類の紙類といった身近な素材を使う工作遊びでは、子
どもが「何を使おうかな」「どんなものを作ろうかな」と試行錯誤する過程で、想像力や創造力、
工夫する力、最後までやり抜く力などの非認知能力を育むことができるのです。
 私たちもこのような考え方で授業を組んでいます。特に物事に取り組む前の子ども達との話し
合いの時間を大切にしています。子ども達からなるべくたくさんの発言を引き出したいのです。子
どもが「僕それ、知ってるよ」と言うより、「僕はこうだと思うんだけど」と言ってくれることを
目指してやり取りをしたいと思うのです。4月第2週の年長造形の授業は「工作 こま」でした。
この授業では、どんな形のこまが回るのか、それはどうしてか。第1週で行った「絵の具の混色
実験」を思い出しながらこまの色の塗り方で回した時の色はどうなるか、描いた模様が回すこと
でどのように変化するか等を実験しました。木製のこまを見せながら、こまの軸はどの場所を通
せばいいか聞いてみると、「真ん中」と言う答えが返ってきます。感覚的にそれは正しい訳です
が、何故、と問われると説明はなかなか難しい。でも一生懸命持てる言葉を駆使して説明するの
を聞いていると、かなり核心をついたことを言っているのがわかります。「軸が真ん中じゃないと
軸の右と左の重さが違うから、重い方が下に下がって止まっちゃうと思う」こんな素敵な説明も
飛び出します。ただひとクラスに20人も子どもがいるとみんなが口々に声を上げている訳でない
のが頭の痛いところで、「発言することに気遅れを感じる子」「話題に上がっていることを考えて
いない子」様々です。「僕は(私は)こう思うんだけど」をみんなに発言してほしい。「考えること
に慣れる」ことが必要かと思います。「何故そうなると思う?」等、常々子どもが自分の意見を発
信できるような会話をおうちでも実践していただけると、より効果が上がると思います。よろしく
お願いします。
 

授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください。