幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより8月号 リトル/チャイルド

 7年ぶりに、警報レベルとなっているヘルパンギーナ。全国的に猛威を奮っているということ
で、パルでも欠席の電話が増えています。(全てがヘルパンギーナとの確認があるわけではありま
せんが) この感染症の特徴は、口の中の粘膜に水ぶくれのような発疹ができ、38度から 40度の
熱が1日から3日ほど続くというものです。喉の痛みや全身の倦怠感、食欲不振などを引き起こ
します。元々高温多湿に強いウィルスで、症状が治ってもウィルスが数週間は便の中に出るため感
染が防ぎにくいようで、大人が感染すると子供が罹るより少し熱や症状が強いことが多いそうで
す。小さいお子さんのいる家庭では、特におむつの交換の後にはしっかりと手洗いすることが必要
とのことです。お母さん達、気をつけて!
 外遊びに出たときに子供の動きを観察する機会がこのところ何度もあって、個々人の体を動か
す経験の程度にかなりの差異があると感じました。「走る」という行為は、日々どの程度行われ
ているでしょう。「限界まで走る」についてはどうでしょう。どんな時にこの走りは出現するの
か。「鬼ごっこ」はどうでしょう。ただまっすく全力疾走するだけでなく体を翻す等、鬼を翻弄
するための体の操作が身に付きます。「飛び降りる」動作も、膝が衝撃を吸収できていない子ど
もを見かけます。「よじ登る」「くぐり抜ける」様々な動作を思い浮かべ、それらの動作を今の
子供達が頻繁に体験できているのかというと、否です。圧倒的にチャンスがないのです。今上に挙
げた様々な動作は、教室の中で行える枠を超えています。全力で走ったら壁に激突するでしょう。
私たちはなるべくたくさんの動作を体験させようと努力していますが、それ等は反復されないと
身につくところまで行きつきません。だから「外遊び」に連れ出して、少しでもチャンスを増やし
たい、どれほど身に付いているかチェックしたいと思うのです。
 体を動かすということは、楽しいばかりではありません。動作を獲得するまでの過程は、面倒
臭かったり、体がキツかったり、悔しかったり、と色々な障壁を超えないと達成感に至りませ
ん。だからこそ、子どもには「外遊び」という武器があったのですが、様々な事情でどんどん活
用されなくなっているのでは無いでしょうか。パルの子どもたちの中には、「逆上がり」とか「縄
跳び」といった顕著に出来るできないが現れる種目で、「友達ができるなら自分もできるように
なりたい」というモチベーションを持てる子がいるので、その子たちは障壁を越える体験を味わ
うことが出来ます。ただ、こうした種目での成功体験は、本来十分に全身運動ができていれば容
易にクリアできることで、逆上がり、縄跳びに限らずどんなことにも容易に挑戦できるはずです。
 運動にばかりフォーカスしているように聞こえるでしょうが、運動で様々な能力を獲得したいと
思う気持ちは、全てに意志力を持つことにつながります。言葉も覚束なかった小さい頃には、首
尾一貫した意思を持つことはありませんでした。何かが欲しいと言い募れば、わがままだと片付
けられたでしょう。それはその時だけの心地よさを求める要求だからです。しかし、苦痛を伴って
も何かを手に入れたいと思うようになれば、それはワガママの域を脱しています。「意志力」とは
「自分をコントロールして目標を達成する能力」のことです。そこに必要なのは、掲げる目標を持
つ気持ち、取り組む根気、我慢する忍耐、そして深く考える力です。子どもたちにとって今は、意
志力を獲得する準備段階です。生活の中で根気や忍耐、考える力を養わなければなりません。
 暑い夏ですが、子どもたちが取り止めのない過ごし方をしないように、気を配ってください。
大人の方が暑さでダレ気味ですが、意識伸び盛りの子どもには今が待ったなしの時なのです。
有用な施設に連れて行ってくださいなどと言うつもりはありません。連れて行ったという事実だけ
で満足するのも困ります。「考えるきっかけを提供する」これをキーワードにしたいと思います。
決まりきったことに頭を使うことを言っているのではありません。子供が知りたいと思うトピッ
クスがどこに転がっているかにアンテナを張り、そこに添っていく取り組みをお願いします。
年長ともなると、テレビで目にしたニュースにも適正に反応します。話し合いのネタにするのも一
考です。                                    高崎

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