幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより9月号 リトル/チャイルド

 暑すぎる夏でした。熱中症に怯え、更にコロナがこっそり復活していることに気付かされ、それ
でも5類になったからといって大半のイベントがコロナ以前と変わらず行われるようになった今年
の夏。何となく落ち着かない気持ちにさせられる夏だと思って過ごしていました。
 北極に雨が降るという映像をたまたま目にしました。雨が降る? 知らなければそれがどうし
た、という話なのですが、北極には通常雨は降らないのです。雨という形ではなく雪として降るの
が通常なのです。今まで降らなかった雨が永久凍土を溶かしているのだそうで、これは勿論地球温
暖化のせいです。永久凍土が溶けていくと何が起こるのでしょう。永久凍土に生息する植生は苔
や地衣類が多く、それを食すのがトナカイ、ジャコウウシや、レミングやウサギ等の小動物です。
しかしその動物を養う植生が、永久凍土融解のせいで減少しているのです。その小動物を食べて生
きているのが、狐や狼といった肉食動物。頂点に立つのはホッキョクグマなのだそうですが、環
境の変化で今まで捕食してきたアザラシを捕獲することが難しくなったそうで、海に向いていた目
が陸へと変わり、トナカイが狙われ始めているのだそうです。自然界の生態系はバランスで保た
れ循環しているのですが、一つが壊れると次々と問題が出てくるのです。北極に棲む動物達がどん
どん姿を消すかもしれません。
 国連のグテイレス事務総長は「地球温暖化の時代は終わりました。地球沸騰化の時代が到来し
ました。」と発言しました。今年の夏の暑さを思うと「沸騰化」という言葉にゾッとしますが、
私たちは長いスパンで起こる災害には鈍感です。コロナの時のように次々と罹患者が増えていく状
況が我が身に迫ってくると、異常に恐れて大騒ぎをするのですが、確実に最悪の状況に進んでいる
「温暖化」については「心配だねー」「だけど今当分は大丈夫かな」で止まってしまうのです。
周りの人は、自分が生きているうちは大丈夫だろう、と考えている様です。私は、自分が目にして
いる我が子、その子(孫)が生きている間も安全は保証されるのだろうかと心配になります。更に孫
が私くらいの年齢になった時に同じ心配を自分の子供や孫にする姿とかを連想すると、とても安
穏とはしていられません。未来の危機に対して思いを巡らすことはとても大切なことだと思いま
す。今の危機を冷静に見つめ、どの様に回避するかを考える力を持つことが、未来の危機を救う手
立てだと思うのです。私が子どもだった頃は、子どもだけでなく大人でさえも地球環境について心
配はしていませんでした。むしろ経済発展へ向かってたくさんの二酸化炭素を排出し、そうするこ
とが国力増強になると信じていた感がありました。
 今の時代、より複雑になった世の中に生きていく子ども達には何が必要でしょうか。何も今す
ぐに地球の危機に目を向けることを押し付けて絶望的な気分にさせる必要はないと思います。
が、物事へ向ける関心、それを掘り下げる好奇心、持続的に考える集中力、自分の持てる力を
自他の他に使う気持ちを養うことは、大人になってからでは養えないのです。大人になった時、我
が身が生きる環境にどう加担していくのか、真剣に考え行動できる人を育てるために今子どもに
何をどう与えるべきか。少なくとも考える行動を常に取れる子どもにしておきたいものです。

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