幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより11月号 リトル/チャイルド

 昼はまだ夏日に迫る暑さの日もありますが、朝晩はだいぶ気温が落ちてきて、時に11月下旬の
温度と報じられることもあり、昼夜の寒暖差が大きくなっています。酷暑の夏を耐えてきた体に
、 更にこの寒暖差が襲っています。流行している子供の病気のベスト5は、感染症胃腸炎、突発性発
疹、インフルエンザ、アデノウィルス感染症(プール熱)、溶連菌感染症と続き、更にRSウィルスや
ヘルパンギーナが流行っている様です。2、3日前に初めて、お休み電話の内容が「溶連菌で」、
と言う報告を聞きました。受験を控えている人にとっては、特段に健康が必須な時期です。寒暖差
と流行っている病気に十分気をつけて、お子さんを守ってあげてください。
 10月半ばに年中さんで「ビー玉落とし」と言う授業をしました。3つの箱を縦に繋げて、上の
2つの箱に穴を開け、ビー玉を下へと落として遊ぶというおもちゃ作りのカリキュラムです。
「1人で遊んでもつまらないねー。どう工夫したら面白く遊べるかしら?」から始まって、穴を開
ける場所、大きさ、箱2つにだけ穴を開ける理由、箱と箱を繋ぐ方法などをみんなで次々に考え
ていく、とてもエキサイティングな授業です。みんな集中して、話し合った内容を網羅したおも
ちゃを作り上げ、できた順に対戦をして遊んだのですが、その中にゲームをしたくないと尻込みす
る子、ルールを守れず手を使ってビー玉を落とそうとする子が点在していました。これは造形の授
業に限ったことではなく、体操の時間にも起こります。チームに分かれての対抗戦で、自チームが
負けそうになるとゲームを放棄してしまう子、負けたことが容認できなくて拗ねてしまう子。それ
が昂じると初めての動作が登場して、さあやってみようとなった時に、「(できないかもしれない
から)嫌だ、やらない」と拒否します。こうした反応は特に年中児に集中しているように思われま
す。年少児ではあまり起こりません。年中児は年少児より認識力が上がった結果、このような態
度に出るのだと思うのですが、理由は様々でしょう。ゲームだから勝ったり負けたりが当たり前
とは思えず、「勝者」は強い人、「敗者」は弱い人、と短絡的に捉えてしまいます。この様な態度
に出る子は、「負けず嫌い」「勝ち気」「頑固」な性格なのだと片づけられがちですが、それで
良いのでしょうか。こうした行動を性格のせいにしてしまうと、気性だから直せないことになっ
てしまいます。でも「直せない」で済まされる問題ではなく、その子にとってかなりの損失となる
はずです。拗ねたりキレたりを集団の中でやってしまうと、他者からはどう思われるでしょう。
 どうしてこの様な態度を取ることになるのかを考えてみましょう。ご家庭ではよくゲームをなさ
いますか? 家族構成にもよりますが、両親と一人っ子の3人家族では、子どもの気持ちを思い遣っ
ての子どもの常勝になってはいないでしょうか。「強い」はずの僕・私が、外に出たら勝てないと
なれば、勝負事は避けたいと思うでしょう。両親と複数の子どものご家庭の場合、大人の何気な
い言葉が反映されているということはないでしょうか。勝った子と負けた子を比べるような言動
があったり、はっきり口には出さなくても言葉の端々から競争心が伝わることもあります。競争
心を頻繁に意識していると「他より上でいなくては認められない気持ち」が根づきやすくなりま
す。競争心を持つことは悪いことではありません。対抗意識や闘争心は成長にとって欠かせないも
のです。ですから人との間で行うゲームには意味があるのです。家庭で強いこだわりが見られる場
合は、家族に注目してほしい、褒めてほしい気持ちがあるかもしれません。兄弟と比較して「自分
の方が!」と感じている子もいる様です。幼稚園でのこだわりが強い子の背景には、集団場面での
ストレスや葛藤が隠れている場合もあります。尚、年長さんでも稀にこの様な気持ちを引きずって
いる子がいます。どうしてそうなっているのか、よく検討して対策を考えてください。
 結果よりも過程を褒めるようにしてください。結果へのこだわりを手放し、何事にもおおらか
に挑めるようになるには、過程や努力を他者から褒められる経験が大きな支えとなるのです。

授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください。