幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより1月号 リトル/チャイルド

 今年は暖冬? 12月だというのに、昼間は上着要らずの日も。この先はどうなって行くのでしょ
うね。国連のグテーレス事務総長が今夏、「地球温暖化から地球沸騰化へ」という発言をしまし
たが、この異例の暖冬もその一環なのでしょうか。そんな不気味な季節に依然としてウィルスが束
になって流行り続けています。次々に異種のウィルスに感染する子もいるそうで、大変です。長く
病時にあると、身体が弱くなるだけでなく、その時期に体験できる様々なことを取り逃すことに
なりかねません。今の流行は、インフルエンザ・アデノウィルス・溶連菌だそうで、アデノ、溶連
菌は過去10年間で最大の流行だそうです。ウィルスの拡大なのでしょうか。受け取る側の免疫力
の低下が原因なのではないでしょうか。対抗するには「良い睡眠と栄養のある食事」を摂るこ
と、体を鍛えること。もちろん手洗い・嗽などの感染予防もですが。
 ところで、最近目にしたり聞いたりすることに「自由が苦手な子供達」問題があります。自由に
遊ぶ時間的、物理的環境の減少が要因ということもありますが、問題はもう少し複雑です。最近
の未就学の子ども達は驚くほどたくさんの習い事をしています。でもその内容は、どこかに行って
「教えてもらう」、「やり方や道順のあること」ばかりで、自由に好きなことをやる経験がもの
すごく少ないのです。そもそも世間の大人達が生きてきた世の中が、物事には決まった手順やマ
ニュアルがあるのが当たり前で、そうしてきたことで豊かで便利な生活が約束されてきた集団なの
で、これからの子ども達に必要な能力については疎いように思います。しかし、今社会が求めてい
るのは、変化の激しい社会を生き抜く力を持つ “自立した子” なのです。教えられた事しかでき
ない子どもでは困るのです。自ら考える力をつけるには、自由に発想する力・習慣が必要です。
 昨今の子ども達は、「自由にしていいよ」と言われると思考がフリーズする傾向があると言わ
れます。パルの造形でも、子供達は課題別に取り組みへの姿勢が変わります。手順を重視するもの
は割合楽に取り組めるのですが、自由な発想を求められる課題はちょっと、という子が出てきま
す。手順物でも一つ一つ大人に確認を取らないと先に進めない子は、更に依存性の心配も重なり
ます。幼児なりに自立が進んでいる子は、どんな課題にも挑戦的に取り組めます。私としては、
どんな課題でもなるべく考えさせる内容を提供したいと常に考えています。自立というのは、自分
のことは自分でできるのはもちろん、自分がやりたいことを自分で見つけ、それを実現するため
に試行錯誤しながら探究できるということです。
 どのようにすれば、自立した子どもにすることができるのでしょう。時間的・物理的環境の改
善もさる事ながら、子どもが失敗を恐れることのない対応をすることも大切です。前出の「やり
方や手順のあること」をしていると、どうしても評価や順位がつきまといます。それが怖くて
何かにトライする前から「無理」「やらない」と拒む子が出てきます。大切なのは結果ではなく
やろうとする過程です。少しでも前向きな気持ちが見えたら、結果ではなく取り組む気持ちを尊重
してあげる。褒めるなら、そこを褒める。それを繰り返すことで、びっくりするくらい物事に前向
きに取り組める子どもになります。
 今年の未就園児「リトル」のクラスでは、子ども達の自発的遊びが進みやすくなる様、内容を
精査して進めています。2歳児の子ども達ですから完璧なごっこ遊びには至りませんが、一度ごっ
こ遊びが始まると、独創的な見立てで道具を使い、5、6人で一つのテーマに沿ってコミュニケー
トしている姿が見られるのです。私たちはその状況を壊さないように見守ってきました。。結果、
2024年度の国立大学附属幼稚園受験に挑んだ内5名が一次抽選通過、考査、2次抽選と最後まで全
員通過の100%の結果が出ました。教え込まれて作られたのではない子どもらしい子ども、その子
どもの姿を肯定できる親の組み合わせが合格につながったのだと思います。
 ご家庭でも、大人が「先導をする」、「教える」、ことを少し減らすことで子どもが自ら考え
て行くように取り組んでいただけたら、また取り組む気持ちを誉めていただけたら、と思います。
 2024年が良い年になりますように! どうぞ良いお年をお迎えください。      高崎

授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください。