幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより2月号 リトル/チャイルド

 JN.1って、知ってます? 新型コロナの最新株の名称だそうです。今回の流行が第10波だそうですよ。5類扱いになってから、みんなこのウィルスの存在を聞かない様に知らんふりをしていますけど、流行の本質は2類の頃と何も変わっていませんよね。「怖がらずに油断をしない」と「免疫力を蓄える」で行きましょう。もう一つ「睡眠をとる」は、それだけでウィルスを寄せ付けない力が授かるのだそうですよ。

 今回は、子ども達の言葉の発達事情について、パルでの子供の様子から気がついたことを書いてみたいと思います。我が子が喃語から意味ある言葉への移行を果たそうとしている時期のことを、思い出してみてください。言葉がどんなツールであるか、大人が発した音の組み合わせと行動とのマッチングから、子どもは模索しながらキャッチしていきます。子どもによって言葉の獲得の速度はまちまちですが、いざ発語が始まるとそのスピードは往々にして爆発的です。

 リトルクラスの子ども達は子ども同士でのコミュニケーションはなかなか取れず、言葉は自らの意志表明であることが多い様に思われます。相手の立場や気持ちを察することは難しく、それが自己中心的年代と言われる所以です。トラブルが起きた時、たとえば突然黙って他の子どものものを横取りした子は取られた子どもに謝るべきだと大人は思うでしょうし、謝ることを強要しがちです。でも謝りなさいと言われて、弁明する子はまずいませんし、大概の子は何を言われているか解らないという顔をしています。こんな時は頭ごなしに叱っても叱られている子に叱責の言葉は伝わりません。

 年少児になると、少しまとまった会話ができる様になりますが、自分の話を聞いて欲しいという内容が多いように思います。子供の話に対して聞き役の大人が話を発展させようとしても、今ひとつキャッチボールになりにくい気がします。年中児になると、少し会話のキャッチボールがスムースになり、年長児ともなると自分の状況を話すこともできる上、会話の相手のことを知ろうとする質問を発する様にもなります。今年長クラスでは、導入時に子どもとの話し合いを可能な限り沢山行う様にしています。先日の「すごろく」の授業の時には、「すごろく」についての概要の説明を求めてみました。1人で全てを網羅した説明のできた子はいませんでしたが、大人のサジェスチョン的介入に支えられながらもなんとか必要な項目を説明できました。この授業でのもう一つのテーマである「マーク」の理解については、マークについては知っていましたし、どんなマークがあるかも発表できていました。けれどマークを使う理由について意見を聞いてみると少し混乱が起きて、「目の見えない人のため」(それは点字パネルです)という答えが帰ってきたりして、うまく想像ができなかった様です。経験したこと、目の前で展開されたこと以外の概念的なことに思いを巡らすことは少し難しい様です。

 自分が経験したこと、実際に見たことは説明が可能として、すべての子どもが豊富な体験があるとは限りません。会話を沢山持つには、言語力を高めるにはどうしたら良いでしょう。休み明けの初めの授業で子ども達の過ごし方を尋ねるのですが、どこかへ出かけた子供から場所の名前が出ることは少なく、多くの子どもから「ホテルに行った」という答えが返ってきます。海外に行った子は国名を唱えますが、国内の地名はホテルが代名詞です。旅に出る前にどんなところへ出かけるのか、地名や名所を話してあげるのもいいでしょう。そうする事で言葉だけでなく他の興味も刺激できるかもしれません。元旦に能登半島地震が起き、立て続けに支援物資を運ぶ飛行機と旅客機が衝突する事故が起きました。どちらも震撼とするニュースでしたが、これを興奮して話してくれた年少児がいました。「小さい飛行機が滑走路にいてね、空から降りてきた大きい飛行機が小さい飛行機にぶつかって燃えちゃったんだよ。」実に上手に説明してくれました。テレビの映像を子供に情報を与えてくれる媒体として利用するのも、一つの手段ではありますね。ニュースで家族が語り合えれば、言語力だけでなく思考力も子どもに蓄えてもらうことができるかもしれません。(すごろくの授業はパルのインスタに動画をあげてあります。ご覧ください)     高崎

授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください。