幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより10月号 リトル/チャイルド

 やっと秋が顔を覗かせました。「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、今年のように暑さが半端でないと、本当に?と思っていました。でも嬉しいことにちゃんと涼しくなってくれました。ただ気温の差が体へのダメージにならないよう気をつけてくださいね。
  パルは子ども達の語彙力、それを文章に組み立てる力、またそれを発信する意志を育てる取り組みを続けています。そして、この取り組みを私たちが意識して子ども達に渡していくと、成果は裏切らずについて来ています。3つの力のうち顕著に変わってきているのは、「発信する意志」です。初めから積極的だった子は我先にと喋り始めますし、今まで水を向けても無言が多かった子も普通に喋るようになりました。ただ語彙力と文章を組み立てる力についてはなかなか上がってきません。「さるかに」の話を説明してもらうと「猿がおむすびを食べて、赤い実の柿も食べて、蟹にぶつけて蟹が死んじゃった」といった具合になります。猿がおむすびを手に入れた経緯は飛び、何を蟹にぶつけたのかも定かではなく、話はここでお終いになりました。猿は今食べられない柿の種より蟹が拾ったおにぎりが欲しくて、蟹を騙してまんまとおむすびを手にいれる、という最初の事件の因果関係をこの子が理解できているのかが疑問です。もちろん年齢的にうまくまとめて話すことができないのは当たり前なのですが、しかしこうした能力は、今は年齢的に無理、と伸ばすことを止めてしまうのではなく、不断の成長を促していくべきことだと思います。
 ところで、日本の子ども達の国語力が低下しているという事実をご存知ですか? 国語力とは何か。文科省は、国語力とは語彙力をベースにした「感じる力」「想像する力」「考える力」「表す力」からなる能力と規定しています。「聞く」「話す」「読む」「書く」を超えたその向こうにある能力を高めなければ、いずれ社会で生きていくためのコミュニケーション力を持つことにつながっていきません。国語力の低下が始まったのはどうやら2000年以降のことで、そうなったことの幾つかの理由の一つとして、デジタルツールが生活に入ってきたことでリアルの会話が減り、ソーシャルスキルが低下したためでは無いかと、東北大教授の瀧靖之氏は言います。パルの子ども達が国語力の低下した集団に紛れてしまわないようにするにはどうしたらいいか。ここで間違っても「国語教室」を探そうとは思わないでくださいね。子どもは言語習得を勉強として行っているわけではありません。親との日常的なコミュニケーション、自発的な遊び、それに絵本などを通して自然に身につけていくものです。ちなみに絵本の読み聞かせが良いとされるのは、そこで親子のコミュニケーションが発生するからです。会話に加えて、表情の読み取りや、一緒に視線を向けたり指差しをしたりするようなことが行われることで、子どもの脳に良い影響を与えることも明らかになっています。子どもとのコミュニケーションを大切にしてください。コミュニケーションには命令や小言を含めないでくださいね。私たちは引き続き子ども達の言葉を伝える意志力を伸ばしていくべく努力します。

高崎

授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください。