幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより3月号 リトル/チャイルド

 何だか変ですね。今日(2月20日)文京区の気温は23°まで上がったようです。2月なのに! そして明日はまた寒さが逆戻りらしい。予報では三連休は最低気温が1°Cだそうです。気温の乱高 下は体にとても負担です。とりあえず毎日天気の読み間違いをしないようにしないと、ですね。来 年の今頃はどんな気象状態になるのでしょう。去年もこんなだった、なんて呑気なことを言うの はやめよう、温暖化と真剣に向き合おうと思っています。

 この一年を振り返ってみると、この紙面には「子どもにとって考える行為がいかに大切か」につ いてを繰り返し書いてきたように思います。パルにお子さんを通わせて下さっている保護者の方 は、何を目的と考えておいでだろう。造形に特定すれば、手先が自在に動くこと(工作に必要)、 明快な絵が描けるようになること、このようなことが要望されているのだろうかとも思います。 でも私は事あるごとに、造形的な行為を使って考える力を子どもたちに養ってもらいたい、と言っ てきました。「考える力」は大切だとは思う、けれどどうしてこんな子どものうちから?と思われ る方もおいででしょう。なぜ「考えること」が重視されるのでしょう。考える力が育まれると、 行動力・想像力・コミュニケーション能力等、様々な力も同時に育つのです。それが将来どのよう に役に立つのか。一つは、将来を生きる力の土台を作ることになる、と言うことです。今の世の 中はグローバル化が加速している、とよく言われますが、日本はそうした社会に適応できる人の 育成が必要とされています。語学力だけでなく、コミュニケーション能力や多様性への理解など、 今まで必要のなかった様々な能力を育てる必要性があるのです。幼児期のうちから「考える力」 を養うことのもうひとつのメリットは、小学校以降の学習意欲を高めることに繋がることが上げ られます。幼児のうちは遊びを通して実体験学習をしてきたのに、小学生になると頭の中で考えて 答えを導き出さなけれはなりません。しかし低学年の間は、まだ頭の中で答えを出すことに慣れて いないため、それまでに考える事を体験し「考える力」を蓄えておかないと「わからないからい いや」と諦めてしまい、学習意欲の低下につながってしまうのです。また、「考える力」を育むこ とは、相手を思いやる力にもつながります。幼児は物事を考える力がついてくると、自己中心的に 自分の思いを押し付けるだけでなく、相手の考えを理解したり受け止めたりができるようになり ます。良い人間関係の構築に役立つのです。

 つい先日、年中さんで「粘土で器をつくる」授業をしました。毎年行っている授業ですが 今年は特に「作る方法を自分で考える」をいつも以上に強く訴えてみました。みんな違った形の 器を5つは作って欲しいとも付け加えてみました。初めは戸惑っていた子ども達も、作るうちに顔 が変わっていきます。彼らの頭の中がフル回転しているのが見えるようです。結果、いつもの年以 上に作り方を自ら発見する子どもの率が増えました。みんな積極的に挑んでくれました。私が想 う「考える力を育む」とは、こうした営みのことを言います。

授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください。